スマホで見えるということは、外につながっているということ
設置したカメラを、事務所の外から確認したい。そのために何が要るかを整理するページです。
「スマホで見たい」という要望は、技術的には「その建物のカメラを、インターネット越しに見られるようにする」という意味です。見られるようにするということは、設定を誤れば他人からも見られるということでもあります。便利さと危なさは同じ仕組みの表と裏です。
だから決めることが3つあります。①映像をどこに置くか ②外から届くまでの経路をどう作るか ③誰が見られるようにするか。この順に決めていくと、機種選びは最後に自然と決まります。
設置場所そのものの考え方は事務所・店舗の防犯カメラと工場・倉庫・屋外の防犯カメラで扱っています。
録画をどこに置くかで、失うものが変わります
比べるときは費用ではなく、「そこが壊れたら、または持ち去られたら何が残るか」で見ます。
| 置き場所 | 向いている場合 | 壊れた・持ち去られたとき | 外から見るときの負荷 |
|---|---|---|---|
| カメラ本体 (microSD) | 台数が少ない。まず1台から始めたい。配線を増やしたくない | カメラごと外されると映像も一緒に消えます。カードには寿命があり、書き込み続けると劣化します | カメラ1台ずつにつなぐ形になり、台数が増えると見づらくなります |
| 録画機・NAS (社内に設置) | 台数が複数。長く残したい。月額を増やしたくない | 録画機ごと持ち去られると全部消えます。鍵のかかる場所に置くことが前提です | 録画機1台に集約されるので、外からは1か所を見に行く形になります |
| クラウド | 現地に機械を置きたくない。持ち去りが心配。拠点が複数ある | 現地の機器が壊れても、送信済みの映像は残ります | 常に上り方向で送り続けるため、回線の上り速度が足りるかを先に確認します |
止まる原因は、たいてい上りにあります
「スマホだとカクカクする」の多くは、スマホ側ではなく、設置場所の回線の問題です。
- 設置場所の回線の種類と、上り方向の実測値(下りだけ速い契約は珍しくありません)
- その回線を、業務のクラウドやテレビ会議と共用していないか
- ルーターの機種と、それを誰が管理しているか(前の業者のまま、ということがあります)
- カメラと録画機の管理パスワードが、初期のままになっていないか
- ファームウェアの更新が、いつ・誰の手で行われることになっているか
- 見る権限を持つ人の一覧。退職者のアカウントが残っていないか
外から見えるようにする前に、パスワードを決める
ネットワークカメラの事故のほとんどは、難しい攻撃ではなく、初期設定のまま使っていたことが原因です。
総務省・警察庁・NICTが取り組むNOTICEは、ルーターやネットワークカメラの初期の管理用パスワードは説明書に載っており、インターネット上に公開されていることもあるため、そのままでは第三者に容易にログインされるおそれがあると説明しています。推奨されているのは10桁以上で、英大文字・小文字・数字・記号を含み、名前や誕生日を避けたもの。複数の機器がある場合は、同じものを使い回さないこととされています。
一方で、近年の製品には出荷時から個体ごとに複雑なパスワードが設定されているものがあり、その場合は変更の必要はないとも書かれています。変えるべきなのは、説明書に載っている共通のパスワードのほうです。また、管理画面を見て身に覚えのない設定があった場合は、パスワードを変える前にまず初期化し、ファームウェアを最新にしてから設定し直すことが推奨されています。
IPAも、IoT機器は利用前に必ずパスワードを変更し、使い回さないよう呼びかけています。設置のときに一度決めて終わり、ではありません。誰が管理台帳を持ち、いつ見直すかまでを決めておいてください。
外から見えるようにする方法のひとつに、ルーターの特定のポートをインターネット側へ開ける設定があります。手軽ですが、その口は世界中から見えます。開ける必要があるかどうか、開けるとしてどこまで絞れるかは、機種と用途によって変わります。当社では、この設定を提案する場合、何を開けるのかと、その理由をご説明したうえで実施します。
- お客様側で契約されているクラウドサービスの料金・仕様については、提供元の説明が優先します
- 天井や壁の改修をともなう内装工事は承っていません
- 受付は平日9:00〜17:00です。時間外の緊急対応はお約束していません
よくいただくご質問
いま入っているカメラを、スマホから見られるようにできますか
録画機とカメラの機種によります。ネットワークにつながる機種であれば、対応するアプリがあるかを確認します。同軸配線のアナログ機の場合は、対応する録画機に入れ替えることで見られるようになることもあります。まず型番の確認からになります。
スマホで見るのに、月額はかかりますか
クラウドに録画を置く場合はかかります。社内の録画機に置いて、そこへ外から見に行く形であれば、機器の費用だけで済むことが多くなります。ただし後者は、回線とルーターの設定を正しく作ることが前提です。
何人まで同時に見られますか
機種ごとに上限があります。同時接続の数が増えるほど、送り出す量も増えるため、上り回線への負荷も上がります。「全員が見られる」よりも「誰が見る必要があるか」を絞ったほうが、運用も回線も安定します。
退職者が見られないようにするには
その人のアカウントを削除します。全員で同じIDとパスワードを共有していると、これができません。人ごとにアカウントを分けておくのが、あとから困らない作り方です。
スマホを紛失したら、映像も見られてしまいますか
アプリにログインしたままの端末を拾われれば、その可能性はあります。端末側の画面ロックと、アカウントの削除で対応します。遠隔で消去できる仕組みは法人スマートフォンの導入をご覧ください。
- NOTICE「ルーター / ネットワークカメラの安全な管理方法」 — 初期の管理用パスワードは公開されていることがあり容易にログインされるおそれがあること、10桁以上で英大文字小文字・数字・記号を含むものが推奨されること、使い回さないこと、個体ごとに複雑なパスワードが設定された製品は変更不要であること、不審な設定があった場合はまず初期化すること
- IPA「ネットワークカメラや家庭用ルータ等のIoT機器は利用前に必ずパスワードの変更を」 — IoT機器のログイン情報が初期設定のまま使われることの危険と、パスワードを使い回さないことの重要性
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