屋外に出た時点で、決めることが増えます
工場・倉庫・資材置き場・駐車場など、建物の外や広い構内に防犯カメラを置くときのページです。
屋内のカメラは、天井に穴を開けてLANを1本通せば終わることがほとんどです。屋外はそうはいきません。雨と粉じんが入る。夏は箱の中が高温になる。冬は結露する。夜は真っ暗になる。そして、電源が近くにない。この5つを一つずつ潰していく作業になります。
順番があります。まず電源と配線が引ける経路を決め、次にその場所の環境に耐える筐体を選び、最後に夜どこまで写すかを決めます。この逆をやると、選んだカメラが置けない場所だった、ということになります。
店舗や事務所の中は事務所・店舗の防犯カメラ、外出先から見る話は遠隔監視・スマホ確認で扱っています。
広い構内で最初に詰まるのは、電源です
「そこにカメラを付けたい」の9割は、電源とLANが届くかどうかで決まります。
| 給電の方法 | 1本で届く距離 | 向いている場所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 近くのコンセント からAC給電 | 電源の位置しだい | 建屋の壁面、庇の下、既にコンセントがある柱 | 屋外用の防水コンセントが要ります。カメラごとに電源が要るので、台数が増えると経路も増えます |
| PoE (LAN1本で給電) | 規格上100m | 建屋から離れた門扉、駐車場、通路の柱 | スイッチ側の総容量が足ります。カメラの必要電力が規格を超えると起動しません。100mを超える場所は中継が要ります |
| 中継スイッチを 屋外に置く | 中継ごとに+100m | 敷地が広く、建屋から200m以上離れた場所 | スイッチ自体を屋外用の箱に入れ、そこまでの電源が要ります。中継点が増えるほど、故障したときに切り分ける手間も増えます |
これを超える位置は、中継のスイッチを立てるか、別の配線方法に切り替えます。現地では巻尺ではなく、実際の配線経路でたどります。
1桁目が粉じん、2桁目が水に対する等級です。66は「粉じんが入らない」かつ「あらゆる方向からの強い噴流でも影響を受けない」水準を指します。
屋外機には、給電の規格によって使用できる温度の下限が変わる機種があります。カタログの数字は、どの給電で動かしたときの値かまで見ます。
夜、どこまで写すかを先に言葉にする
「暗いところが見えない」という相談のほとんどは、赤外線の届く距離の話です。
- 取り付けたい位置から、建屋のスイッチまでの実際の配線距離(直線距離ではなく、通せる経路)
- その場所の粉じん。木くず・金属粉・穀物粉など、レンズ面に付くものの種類
- 夏に直射日光が当たり続ける向きか。庇や日除けが作れるか
- 夜、その範囲に光源があるか。工場灯の点灯時間
- フォークリフト・トラックの動線と、ぶつける可能性のある高さ
- 取り付ける柱・壁の材質と、その持ち主(借地・共用部だと許可が要ります)
- 雷が落ちたときに巻き込まれる経路。屋外に長く出るLANは避雷対策の検討対象です
生産設備には、触れずに引きます
稼働中のラインを止めない、というのが工場での最大の制約です。
工場でのカメラ工事は、配線の経路そのものが調整ごとになります。制御盤・動力の配線と同じダクトには通さない。ラインをまたぐ経路は取らない。作業導線を横切らせない。この3つを守ろうとすると、遠回りの経路になり、距離が伸びます。だから最初に距離を測ります。
工事の時間帯も先に決めます。稼働中に脚立を立てられない区画は、止まっている日に回します。ここが決まらないまま機材だけ用意すると、置いたまま何週間も進まないことになります。
- カメラ用の支柱の新設、基礎工事、建屋の改修をともなう工事は承っていません
- 天井や壁の改修をともなう内装工事は承っていません
- 生産設備・制御盤への接続や、設備側の配線変更は行いません
- 受付は平日9:00〜17:00です。時間外の緊急対応はお約束していません
よくいただくご質問
屋内用のカメラを軒下に付ければ、屋外でも使えますか
おすすめしていません。雨がかからなくても、屋外は湿度と温度差が大きく、内部で結露します。屋外用の機種には防じん・防水の等級だけでなく、内部の湿度を逃がす構造や、低温での起動を考えた設計が入っています。
粉じんの多い場所では、どれくらいで見えなくなりますか
粉の種類と量によるので、期間ではお答えできません。確実なのは、清掃をいつ誰がやるかを運用に組み込むことです。手が届かない高さに付けると、清掃自体ができなくなります。届く高さに置くか、脚立で届く位置にするかを、設置前に決めます。
寒い時期に映らなくなることがあります
低温で起動できていない可能性があります。屋外機には使用温度の範囲が決まっていて、機種によっては給電の方式(PoE+かPoE++か)で下限が変わります。電源を入れ直したときだけ映らないなら、まずこの点を疑います。
いまの敷地で、無線でつなぐことはできますか
建物間を無線でつなぐ方法はありますが、見通しが取れることが前提です。フォークリフトや積み上げた資材で見通しが切れる場所では止まります。また、無線でつないでも、カメラ側の電源は別に要ります。「配線を減らせる」であって「電源が不要になる」ではありません。
広い構内なら、首振りできるカメラ1台のほうが安く済みますか
台数は減りますが、向いていない方向は写っていません。首を振っている間に反対側で起きたことは残らないため、記録が目的なら固定を複数置くほうが確実です。首振りは「人が見ているときに、動かして確認する」用途に向いています。
- パナソニックEWネットワークス「PoE規格の種類とは?」 — IEEE 802.3af は1ポート最大15.4W、802.3at(PoE+)は最大30W、802.3bt(PoE++)はタイプ3で最大60W・タイプ4で最大100W
- 日東工業「IPコード(IP保護等級)とは」 — IPコードは外郭による外来固形物・水の侵入に対する保護等級を表すこと、IEC 60529 とJISの対応関係
- 日本規格協会「23年ぶりにIPコードのJISを刷新」 — 2026年1月20日にJIS C 60529 が発行され、JIS C 0920 の後継として保護等級9が追加されたこと
- i-PRO 屋外カメラ仕様書(WV-S66300-Z4LN) — 使用温度範囲が PoE++ で-50℃〜+60℃、PoE+ で-20℃〜+60℃と、給電方式によって変わる例
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