紙を減らす順番は、捨てられる紙からです
複合機を入れたあとに「スキャンを活用したい」と考えたときの、置き場所と保存ルールのページです。
スキャンした先は、3つのどれかに置きます
複合機は「読み取る」ところまでしかやりません。読み取ったファイルをどこに置くかを先に決めます。
| 置き場所 | 向いている場合 | 向かない場合 | 決めておくこと |
|---|---|---|---|
| パソコンの 共有フォルダ | 事務所の中だけで見る。台数が少ない。追加の費用をかけたくない | そのパソコンを持ち帰ることがある。外出先から見たい | そのパソコンの電源が入っていないと届きません。入替や買い替えのたびに、複合機側の送り先を作り直す必要があります |
| NAS (社内の保存箱) | 人数が増えてきた。パソコンの入替に左右されたくない。社内で完結させたい | 拠点が分かれていて、双方から同じ速さで見たい | バックアップをどこに取るか。故障したときに誰が気付くか。置いただけでは、壊れた日に全部消えます |
| クラウド | 外出先や自宅から見る。拠点が分かれている。保管の手間を持ちたくない | 回線が細い。大量のスキャンを一度に送る運用が中心 | 誰がどのフォルダを見られるか。退職時にその権限をどう外すか。月額が続くこと |
電子帳簿保存法は、3つの制度に分かれています
「電帳法の対応が要る」と言われたときに、自社に義務があるのはどれかを先に切り分けます。
あわせて、赤・緑・青の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)で読み取ることが求められます。
書類を作成・受領してからおおむね7営業日以内(早期入力方式)。社内規程を定めれば、最長2か月の業務処理サイクルを置く方式も選べます。
取引年月日その他の日付、取引金額、取引先。税務職員のダウンロードの求めに応じられる場合、範囲指定と項目の組み合わせの機能は不要です。
準備が間に合わなくても、止まる仕組みではありません
電子取引データ保存には、令和5年度の税制改正で猶予措置が置かれています。
令和6年1月からの電子取引データ保存では、①モニターと操作説明書などを備え付ける ②検索できるようにする(可視性)と、③改ざん防止(真実性)が求められます。③は専用のシステムを入れなくても、不当な訂正削除を防ぐ事務処理規程を定めて守れば満たせます。規程のひな形は国税庁のサイトに載っています。
②についても抜け道があります。2課税年度前の売上高が5,000万円以下の事業者、またはプリントアウトを日付と取引先ごとに整理している事業者は、データのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索の機能は不要です。さらに、準備が間に合わないなど相当の理由があり、データと出力書面の両方を出せる状態にしてあれば、データを保存しておくだけでよいという猶予措置もあります。人手不足や資金不足も理由として認められると国税庁は説明しています。
当社が扱うのは、複合機でスキャンしたものを、決めた置き場所へ確実に届けるところまでです。共有フォルダやNASの設定、送り先のフォルダ構成、外から見るときの回線とセキュリティが範囲になります。会計システムそのものの導入や、電子帳簿保存法に対応した会計ソフトの選定・設定は、当社の担当外です。税務上の判断は顧問の税理士へご確認ください。
- いまスキャンしているか。している場合、どこへ送っているか
- 共有フォルダを置いているパソコンの型と、いつ買い替える予定か
- ファイル名の付け方が決まっているか。決まっていないなら誰が決めるか
- 外から見たい人がいるか。いる場合、その回線と端末
- バックアップの有無と、壊れたときに気付く仕組み
- 退職者が出たときに、権限を外す手順が決まっているか
- 会計システム・基幹システムの導入や設定は当社の担当外です
- 税務上の判断(何を保存すべきか、要件を満たしているか)はお答えできません。税理士にご確認ください
- 受付は平日9:00〜17:00です。時間外の緊急対応はお約束していません
よくいただくご質問
スキャナ保存を始めるのに、税務署への手続きは要りますか
原則として要りません。任意のタイミングで始められます。例外は、始めた日より前に受け取った重要書類(過去分重要書類)をさかのぼって保存する場合で、このときはあらかじめ届出書の提出が必要です。
スキャンしたら、紙は捨ててよいのですか
スキャナ保存の要件を満たして保存していれば、読み取った後の紙は廃棄できます。要件には入力の期限、解像度、階調、訂正削除の履歴が残ること、検索できることが含まれます。満たしているかの判断は税理士にご確認ください。
メールで届く請求書は、印刷して保管すればよいですか
いいえ。データでやりとりしたものは、データのまま保存する必要があります。令和6年1月からは、プリントアウトしたあとに元のデータを消す運用は認められません。ただし猶予措置に当てはまる場合は、要件を満たさない形でもデータを残しておけばよいとされています。
タイムスタンプは必ず要りますか
入力期間内にスキャナ保存したことを確認できる場合は、タイムスタンプの付与に代えることができます。
スキャンした書類を見るための画面に決まりはありますか
あります。スキャナ保存では、14インチ(映像面の最大径が35cm)以上のカラーディスプレイとカラープリンタ、そして操作説明書を備え付けることとされています。ノートパソコン1台だけで運用している場合は、ここに引っかかることがあります。
- 国税庁「はじめませんか、書類のスキャナ保存」【令和6年1月以降用】 — 入力期間(早期入力方式はおおむね7営業日以内、業務処理サイクル方式は最長2か月+おおむね7営業日以内)、解像度200dpi相当以上、24ビットカラー、タイムスタンプ、ヴァージョン管理、14インチ以上のカラーディスプレイ、検索は取引年月日その他の日付・取引金額・取引先の3項目
- 国税庁「令和6年1月からの電子取引データの保存方法」 — 可視性と真実性の確保、事務処理規程で対応できること、2課税年度前の売上高5,000万円以下などの場合に検索要件が不要になること、相当の理由がある場合の猶予措置
- 財務省「令和6年1月スタート 電子帳簿等保存制度の内容と中小企業の対応策」 — 3つの制度のうち、保存義務が課されるのは電子取引データ保存だけであること
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